献血

街を歩いていると、緑色の車体に赤十字マークの入ったバスを見かけることがあります。知っている人は知っている献血用移動バスです。街を巡回し、いろいろなところに現れては「献血お願いしまーす」ってやってるわけです。私は日本人には非常に少ないといわれているRH−型なので、他の人以上に明日は我が身ですから、機会があればなるべく献血しようとは心がけていますが、献血なんてした事がない、あるいはしたくもないと思っている人もいるかもしれません。

献血とは

献血とは、血液を提供することです。血液は、人工的に造ることが不可能なので、血液が必要な場合には人間の血液がないといけません。血液は様々な治療に使われるもので、いくらあっても足りないくらいです。そのための血液を提供する行為が献血です。

献血と売血の違い

献血は、ただで血液を提供するというのがポイントです。基本的には善意で提供するのです。かつて、日本では治療に使う血液の集める方法として売血というものが行われていました。これは文字通り、血液を売る行為の事なのですが、お金目的のために売血するという人間が後を絶たず、治療に使用できない血液が大量に集まるという事態が発生しました。これでは本来の目的が達せられないとして、1969年に売血は廃止され、それに変わって行われるようになったのが献血です。今は日本国内では売血は禁止されており、行われていませんが、一部外国では売血が行われています。

献血の種類

献血には、大きく分けて全血献血と成分献血があります。それぞれの献血方法によって規定が大きく変わります。

全血献血

その名の通り、血液そのものを献血する方法です。昔から行われている献血はこの全血献血です。400ml献血と200ml献血があります。
・400ml献血
血液を400ml提供する献血です。最近では全血献血しに行くと、400ml献血をお願いされることが多いようですね。18歳以上、体重50kg以上であれば献血が可能です。ただし、それ以前に献血したことがある場合は、決められた期間を開けなければ献血できません。期間は直前に献血した種類によってそれぞれ変わってきます。
・200ml献血
血液を200ml提供する献血です。16歳以上で男性は体重45kg以上、女性は体重40kg以上であれば献血が可能です。200ml献血の場合も、以前に献血したことがある場合には一定の期間を開けなければなりません。 全血献血は、1年間で献血可能な血液の量が決まっており、男性は1200ml、女性は800mlまでしか献血できません。

成分献血

成分献血は全血献血と違って、血液の中から必要な成分だけを抽出し、それ以外の成分を体内に戻すという献血です。18歳以上の人が成分献血をすることができます。血液製剤などに使われるのは血液の一成分であることが多いため、近年需要が高まっており、成分献血が可能な設備が整っているところで献血しようとするとこの成分献血をお願いされることもあります。
・血小板献血
血小板だけを提供する献血です。
・血漿献血
血漿だけを提供する献血です。
成分献血の場合も以前に献血したことがある場合は、一定の期間を開けなければなりません。また、成分献血も年間献血回数に制限があり、成分献血の場合は、血小板献血1回を2回分に数えて年間24回までとなっています。

献血する方法

さて、今まで献血した事のないあなたがもし献血しようと思ったとしましょう。普通、初めて献血に行く人は、「注射が痛いんじゃないか?」と思いそうですが、実際はそれほど痛くありません。というか、看護師さんの腕一つなんですけどね。本当に注射が嫌いな人は、そもそも献血しようとは思わないはずなので、献血に行こうと思っている人は注射の問題はクリアしているものとします。

献血車が来ているところに行く・献血センターに行く

日によってどこにいるかは調べればわかることではありますが、自分のいける範囲に献血車が来るときにそこへ行けば献血ができます。予め献血車がいる時間が決まっていますので、献血車で献血する場合は事前に場所と時間を調べて行きましょう。ただし、献血車の場合は成分献血ができないことが多いです。成分献血をする場合は、地域によってですが献血センターや献血ルームというのがありますから、そこに行きましょう。献血センターであれば、全血献血も成分献血もできます。

事前に体調を整えておく

献血する場合は、事前に自分の体調を整えておきましょう。かぜをひいているとか、薬を飲んでいるとかの場合は献血しない方がいいです。というより、献血する前に必ず「体調はいいですか?」「ご飯は食べてきましたか?」「今薬飲んでいませんか?」「睡眠は十分とりましたか?」など、体調に関わることを必ず聞かれます。体調がよくないと、献血を断られる場合もありますから、献血する場合には自分の体調を万全にしていきましょう。

事前検査をしてもらう

献血する場所に行って、献血したい旨を話すと、どの献血に協力してくれるのかを聞かれます。私は条件反射でいつも400と言ってますが、初めての人は200から始めるのが無難でしょう。何度も献血している人であれば「400ですよね?」と有無を言わせない雰囲気の圧力をかけられることもありますが、初めて献血する人に対してそういうことは言わないと思います。その後、事前検査が行われます。といってもそれほど大げさなことをするわけでもなく、先ほど話した体調のことを聞かれるとか、血液の比重を測るとか、血圧を測るとかその程度です。ここで、献血するのに問題ないと診断されれば、晴れて献血をすることになります。

献血をする

さて、いよいよ実際に献血をするわけですが、それほど大変なことでもありません。用意されているベッドに横になっていれば、あとは看護師の人が全部やってくれます。腕を出してくださいとか、手を握ったり閉じたりしてくださいとか言われますから、その指示に従いましょう。後、献血している最中に少しでも体調に異変を感じたら看護師さんに申し出ましょう。すぐに適切な処置をしてくれます。

献血終了後

献血が終わると、献血した腕にバンドをつけてしばらく安静にしていましょう。特に慣れていない人が初めて献血したときには、精神的にも緊張していると思いますから、気持ち悪くなったり、頭がボーっとしたりすることもあります。その時もすぐに申し出ましょう。後は、係の人が献血カードというのを作って持ってきてくれます。この献血カードはその人の献血した日付や場所などが登録されています。次回献血する時にこのカードを出すと、次回の手続きがスムーズになりますからとっておきましょう。後は、記念品を貰って終わりです。

献血のメリット

献血することのメリットはいくつかありますが、代表的なメリットを見てみましょう。

記念品が貰える

初めに述べたように、現在の日本では売血は禁止されています。その代わり、献血したときには記念品が貰えます。中身は場所によって違いますが、大体ジュースとか絆創膏が入っていることが多いです。昔、歯磨き粉が入ってたこともありました。ただし、もの目当てで献血することは本来の趣旨からかけ離れてしまっているので、それほど豪華なものが貰えるわけではありません。あくまでも記念品だということを胸に留めておきましょう。

血液検査をしてもらえる

献血してから1週間から10日後に、日本赤十字社から手紙が来ます。これは、あなたが献血した時の血液の成分を検査した結果が書かれています。この成分がこれだけ、この成分がこれだけ入っていますと詳しく書かれています。各成分が何のバロメータになるかも書かれていますから、自分の健康状態を知ることができます。また、何らかのウィルスにおかされていた時も教えてくれます。だからと言って、血液検査目的で献血するのは好ましくないのでやってはいけません。

血液型がわかる

「そんなの献血しなくてもわかるじゃん」などと言ってはいけません。献血することによって初めて自分の本当の血液型がわかったというケースも実は多いのです。実際に、私がRH−であることがわかったのは献血結果がきた時でした。それまでは何の疑いもなくRH+だと思っていたのですから。私の知り合いにも、20年A型だと思っていたけど献血したらB型だったという人がいます。あなたももしかしたら自分が思っている血液型じゃないのかもしれませんよ。

外国製血液に頼らなくて済む

これは個人のメリットというよりも、日本人全体のメリットです。何度も言いますが、日本では売血は禁止されています。これはお金目的の献血者によって使えない血液が増加するのを防ぐためなのですが、外国では未だに売血によって血液を集めているところがあります。そして、それらの国全てが日本と同じ基準の検査をしているわけではないのです。少し前に、血液製剤によってウィルスにおかされてしまったというニュースが大きく取り上げられましたね。あれは輸入した血液製剤が原因です。現在では、輸入する血液製剤でも厳しい検査を通らなければ使用できないようになっていますが、どのような形で入ってくるかわかりません。その点、日本製の血液製剤は安全性が非常に高いです。「自分は血液製剤なんか使うことはないだろうからいいや」などと考えてはいけません。もしかしたら、あなたもある日突然病に倒れ、血液製剤を使わざるを得ないことになるかもしれないのです。血液製剤を必要としている人のために、何よりいずれ降りかかってくるかもしれない自分のために、献血をしておくことが非常に大切なのです。

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